ひとり あっとこすめ

忘れっぽいので自分で自分に評価・評判・感想を口コミ???

雨やどり from 回転木馬のデッドヒート

我々は実にいろんなものを日常的に買ったり売ったり交換したりしているために、最後には何を売って何を買ったのかさっぱりわからなくなってしまったということが多々あるからである。

村上春樹さんの「回転木馬のデッドヒート」(講談社文庫)という本に収められた「雨やどり」のこの一節を読んだのが、このブログを書きはじめた理由のひとつだ。何かを手に入れるときには、それなりのストーリーがあって買ったりもらったりという状況なのだけれど、それはよほどのことがない限りすぐ忘れてしまう。そのことは、とても寂しい、と感じるけれど、何故なのかと言われるとうまく説明できない。何かを手に入れるとき、それは何かを失っていくという選択でもある、そういうような感覚、としかいいようがない。このブログを書き続けていけば、いつかは、このことをきちんと説明できる日がくるのではないかという淡い期待だけが、今ここに残っている。



*知ったきっかけ:最初に知ったのはいつかもう分からない。本屋さんで目にしたか、家にあったのを目にしたのか、どちらかだと思う。
*買ったきっかけ:「神の子どもたちはみな踊る」という本に収められた「タイランド」という大好きな短編の原型が「回転木馬のデッドヒート」の中の「プールサイド」という短編にある、というようなことをきいて。ちなみに、確かに原型といわれれば原型なのではないかと思いました。
*買った場所:アマゾン